この提案は、バイク、クロカン、釣り等の趣味を持つ私が、「オートバイが積めてクロカンも出来る『トランポ兼CCV』を、維持費の安い軽自動車で実現できないか」と考え、その個人的な要求を具体化したものです。
より詳細な内容が「CCV vol.31」にて掲載されているので、興味のある方は是非そちらも参照して戴きたいと思いますが、ここでは要点を絞って簡潔に紹介したいと思います。
本提案における「軽トランポ兼CCV」の要件は以下の6点に集約されます。
- 中型のオンロードスポーツ車、または250ccまでのオフロード車が積載できる事。
- CCVとして恥ずかしくない路外走破性能と信頼性を有する事。
- 軽貨物自動車として登録できる事。
- オートバイ積載時は大人2名、普段は大人4名が無理なく乗車できる事。
- 軽自動車として常識的な価格である事。また、維持が容易である事。
- 意匠が優れている事。
具体的には、F6Aエンジンとリーフ・リジッド・サスを持つJA11型のシャーシをベースにする事としました。といっても、そのままではキャブオーバー化は困難なので、エンジンや駆動系の位置を多少変更する事も想定しつつパッケージングを考えましたが、巨大なフロントタイヤを収めるタイヤハウスにスペースを取られ、軽の枠を超えずに十分なレッグスペースを確保する事が出来なかったので、運転席と助手席を中央に寄せ、椅子自体もベンチシートとする事で、ミゼットⅡの2人乗り仕様の要領で前席２名乗車を辛うじて確保しています。
上記イラストの様に、当初はこのシャーシにエブリイのドンガラを架装しようと試みましたが、これでは単車積載時の2名乗車が窮屈な上に、法規上の制約でボディをこれ以上ハイルーフに出来ない為、背の高いオフ車を積むには寸法的に少々厳しい事が判明。
そこで、ジムニーのパーツと意匠を流用して、新たにボディをデザインする事で問題の解決を図った結果が、下のイラストです。
このデザインのポイントは、幌車である事と、荷台のアオリにあります。単車積載時には荷台をオープンにする事で、高さの制約は解消されますし、アオリを降ろして後方にはみ出した状態で積載すれば、後部座席を使用しながら単車を積む事が可能（全長の１割増しまでのはみ出しは合法）になります。少なくとも計算上では、大人3～4名乗車時に80ccのモトクロッサーなら2台、250ccクラスなら１台、後席を畳んだ状態なら、250ccクラス2台を積む事が可能となる筈です。
スタイルも、かつてのホンダ・バモスや、シュタイア・プフ・ハフリンガーを連想させるユニークなものになったと自負しており、市販したら意外と人気が出ると思うのですが、いかがでしょうか？
なお、上のタイプは「EVERY」と「JIMNY」を掛けて『EVENY』、下のタイプは「JIMNY」と「HAFLINGER」を掛けて『JIMNINGER』と勝手に呼んでいます。
追記(2007/10/09)
2007年10月現在、東京モーターショーへの参考出品車としてスズキから「X-HEAD」というコンセプトカーが発表されています。
これは軽トラの様な構成を持つ4ナンバーサイズのコンパクトなボディに1.4リッターのエンジンを搭載、サスは前後ともリジッドで大径タイヤを持つ本格的なオフロード4WDピックアップトラックで、もし市販が実現すれば上記の提案にかなり近いものになると注目しております。
現在の所、市販化の予定は無いそうですが、一部ではすでにスズキ本社に市販を要望する動きがあり、私も微力ながら協力しております。
スズキX-HEADの詳細＞http://corism.221616.com/articles/0000067494/
追記2(2007/10/16)
ダイハツからも小型キャブオーバーCCV「MUD MASTER-C」が出品されます。
こちらは完全な1BOXスタイル＋ハブリダクション採用により最低地上高370mmという夢の様なスペックで、マウンテンバイクのサポート用を中心に、用途をかなり限定する事でこの様な本格以上の内容となっていると思われますが、コストや親会社の意向も踏まえると、こちらの市販は難しいと思われます。
しかしながら、スズキ、ダイハツの2社からこの様なショーカーが出品される事自体非常に興味深いと同時に、大いに歓迎したいと思います。
ダイハツMUD MASTER-Cの詳細＞http://corism.221616.com/articles/0000068163/